MRIC通信 (34)

開業医自身が自院でPCR検査できない「不都合な真実」

執筆者:医療ガバナンス学会 2020年11月20日
タグ: 新型コロナ
エリア: アジア
個人クリニックや介護施設での感染拡大防止には自院での検査が必須なのだが……(写真はイメージ)
 

【筆者:坂根みち子・坂根Mクリニック院長(略歴は文末に)】

 コロナの特徴がほぼ固まりつつあります。

 主に飛沫感染で広がる。感染は容易に広がりやすい。若い人たちの多くは軽症で済むが、高齢者と持病を持つ人が感染すると死亡率が高く、ベッドや人工呼吸器を長期にわたり占有し医療の逼迫を招きやすい。

 今後は、高齢者と持病のある人たちに感染が広がらないように、医療機関・介護施設への重点的な感染防止策が必須。介護施設への感染は、家族からより、多くの場合スタッフ経由。スタッフは介護で身体的な接触をせざるを得ず、だからといって、医療・介護関係者のみ、延々と私生活も厳しい制限を続けるのは、すでに心も体も限界です。感染防止策としても、当事者の安心のためにも、ここに関わる人たちが、必要なときに何度でもPCR検査に負担なくアクセスできるようにするのは最優先事項なのです。

カテゴリ: 医療・サイエンス
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執筆者プロフィール
医療ガバナンス学会(いりょうがばなんすがっかい) 広く一般市民を対象として、医療と社会の間に生じる諸問題をガバナンスという視点から解決し、市民の医療生活の向上に寄与するとともに、啓発活動を行っていくことを目的として設立された「特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所」が主催する研究会が「医療ガバナンス学会」である。元東京大学医科学研究所特任教授の上昌広氏が理事長を務め、医療関係者など約5万人が購読するメールマガジン「MRIC(医療ガバナンス学会)」も発行する。「MRICの部屋」では、このメルマガで配信された記事も転載する。
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