風が時間を
風が時間を(32)

まことの弱法師(32)

執筆者:徳岡孝夫 2019年3月10日
カテゴリ: 国際 社会 文化・歴史
エリア: 北米 日本

 登録した講義を2つか3つ覗いただけで「アメリカの大学教育は」と偉そうなことを言うつもりはない。しかし講義が始まり、実際に教授と顔を合わせて、これは日本とは本質的に違うなと感じずにはいられなかった。

 言論の自由について、いきなり学生の意見を聞く。雑誌に記事を投稿させる。それはただ実際的教育であるだけでなく、学生に自分の力でジャーナリズム批判も含めて考えさせる講義だった。

 私が日本で受けたのは旧制大学文学部英文科の授業だが、そこには自分で考える余裕がほとんどなかった。教授の知識を分け与えられて英文学を理解するのが教育の目的であり、学生はそれ以上を求められなかった。

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執筆者プロフィール
徳岡孝夫 1930年大阪府生れ。京都大学文学部卒。毎日新聞社に入り、大阪本社社会部、サンデー毎日、英文毎日記者を務める。ベトナム戦争中には東南アジア特派員。1985年、学芸部編集委員を最後に退社、フリーに。主著に『五衰の人―三島由紀夫私記―』(第10回新潮学芸賞受賞)、『妻の肖像』『「民主主義」を疑え!』。訳書に、A・トフラー『第三の波』、D・キーン『日本文学史』など。86年に菊池寛賞受賞。
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