【ブックハンティング】地球儀を俯瞰する地政学
北岡伸一『世界地図を読み直す 協力と均衡の地政学』(新潮選書)
近年、「地政学」に改めて注目が集まっている。中国の南シナ海への進出から「一帯一路」構想に至るグローバルな影響圏の拡大は、冷戦時代に恐れられた共産圏の拡大に重ねるイメージで捉えられ、東南アジアや中央アジアだけでなく、アフリカやラテンアメリカへの進出も視野に入れているのではないかとの懸念もある。
そんな中で、副題に「協力と均衡の地政学」と入れられた、北岡伸一の『世界地図を読み直す』(新潮選書)が刊行された。本書はJICA(国際協力機構)理事長として世界中を飛び回る北岡がフォーサイトに寄稿した連載記事のまとめではあるが、極めてユニークで特徴的な著作としてまとまっており、一貫性のある視座と価値観に貫かれている。
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