「新自由主義」の信奉者だったはずが、金融危機で経済への積極介入を進め、救世主を演じる。その陰にはゲノという脚本家がいた。[パリ発]フランス東部の人口二万人足らずの街ブズールは、もし郊外にPSAプジョー・シトロエンの工場がなかったら、寂れた地方都市に過ぎないだろう。四十三ヘクタールあまりの敷地に五十近い建物が並ぶその工場は、地元オートソーヌ県最大となる約四千人の雇用を抱え、地域経済を牽引している。 一月十五日、サルコジ大統領が財務相や産業担当相を従え、この工場を訪れた。従業員を前に、大統領は自動車産業強化策について一席ぶった。

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