「殿、ご乱心!」の言葉が自民党内で囁かれるようになってから、退陣宣言に至るまではあっという間の一本道である。一寸先は闇を証明した菅義偉総理の転落の軌跡は、8月30日月曜日の午前中に始まり、9月3日の金曜日昼の退陣宣言まで。時間にしてたった100時間程度で、菅総理は再選断念にまで追い込まれてしまったのだ。
この間、菅総理は3度、連鎖するように政治的な判断ミスを繰り返して躓いた。党内の実力者たちからは、失笑をかみ殺すような溜息が漏れて見切られていたため、退陣宣言の際にも、小泉進次郎環境相などごく一部を除いて同情の声は聞かれなかったのである。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン