岸田政権が試される「対中国で優る」ための外交手腕

執筆者:星浩 2021年11月12日
エリア: アジア
知米派かつ中国とのパイプも太い林芳正氏(左)の外相起用に期待が集まる   ©︎時事
衆院選での立憲民主党の敗北が示すように、米中対立という東アジアの大波はもはや日本の内政すらも直接的に揺さぶっている。前途に控える防衛力強化、TPP、台湾問題などの外交テーマを通じ、いかにして日本の存在感を高めるか。大国間競争の時代を迎えた国際政治環境の中で、岸田政権は日本の死活問題となり得る重い課題を抱えている。

 衆議院の解散・総選挙を自民党の15議席減でしのいだ岸田文雄首相は11月10日、特別国会での首相指名を経て第2次岸田内閣をスタートさせた。新型コロナウイルス対策をはじめ、疲弊した経済の立て直しが急務だ。そして、米国と中国との対立が激化する東アジアで、日本外交がどこに向かうのか。目先の課題を処理しながら、中長期的な戦略を明確にしなければならない。岸田政権が背負う課題は重い。

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カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
星浩(ほしひろし) 1955年福島県生まれ。政治ジャーナリスト。79年東京大学卒、朝日新聞入社。85年から政治部。首相官邸、自民党、外務省などを担当。ワシントン特派員、政治部デスクなどを経て編集委員、オピニオン編集長、特別編集委員。2016年、退社しTBS系「NEWS23」キャスター、コメンテーター。04-06年、東京大学大学院特任教授。主な著書に『自民党と戦後』『官房長官 側近の政治学』『永田町政治の興亡 権力闘争の舞台裏』など。
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