
普天間基地返還の合意について共同会見する橋本龍太郎首相(左)とモンデール駐日米大使(C)時事
少女暴行事件の衝撃
1995年9月、沖縄県北部で少女が3人の米兵によって暴行される事件が起こった。しかも日米地位協定の下で、容疑者の米兵が当初、沖縄県警に引き渡されなかったため、沖縄県内ではさらに怒りが高まった。大田は日米地位協定の見直しを求め、沖縄県議会でも9月19日、地位協定の見直しを求める意見書が全会一致で可決される。
ところが、日本政府の対応は鈍かった。同日、河野洋平外相は大田と会談し、地位協定改定は議論が走り過ぎだと述べたのである。当時河野は、フィリピンから米軍が撤退したことを念頭に、日本からの米軍撤退への危機感を抱いていた。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン