バルト三国ラトビアで「ロシアは悪くない」と考えている人々の特徴

執筆者:中井遼 2022年11月14日
タグ: ロシア 陰謀論
エリア: ヨーロッパ
2022年5月にラトビアのリガで行われた親ロシア派に対する反対デモ。参加者はラトビアの国旗を振りながら、親ロシア派の集会所となっている戦勝記念碑をなくすよう訴えた(C)AFP=時事
ロシア・ウクライナ戦争は誰のせいなのか――。日本ではもっぱら「ロシア」との回答が多いこの質問をバルト三国のラトビアで行ったところ、意外にも回答が割れた。対ロシアの最前線としてロシアへの脅威認識が強いことで知られるラトビアでの世論調査を分析する。

 

 本稿は、ロシア連邦(以下:ロシア)によるウクライナ侵攻以降、国際社会における存在感を増しているバルト諸国の対露認識とウクライナ紛争への認識を分析する。バルト諸国は伝統的にロシアを安全保障上の脅威とみなしてきた(実際に侵略を受けたことのある)国々であるが、本稿ではその中でも特にラトビアに着目する。ラトビアは、バルト諸国の中でも最もロシア語系住民の比率が高い点で着目され、2014年のクリミア占領以降、さまざまな架空戦記やシミュレーションでロシアの次の標的候補かのように扱われてきた。

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カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
中井遼(なかいりょう) 北九州市立大学法学部政策科学科准教授。博士(政治学)。専門分野は比較政治学(政党政治・選挙,ナショナリズム・民族問題)、東欧研究。日本学術振興会特別研究員、早稲田大学助手、立教大学助教等を経て2016年より現職。『欧州の排外主義とナショナリズム―調査から見る世論の本質』(2021年)で第43回サントリー学芸賞(政治・経済部門)を受賞。
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