【Exclusive】香港CKハチソン、通信事業の分離・ロンドン上場を検討=関係筋

2025年3月29日
タグ: 中国 香港
エリア: アジア ヨーロッパ
(C)REUTERS/Bobby Yip
香港のCKハチソン・ホールディングス(長江和記実業)は、通信事業資産の分離を進め、ロンドンで上場させる準備を開始したと関係者が証言。実現すればロンドン証券取引所にとっては近年最大級の案件だ。ただし、CKハチソンは米ブラックロックへのパナマ運河権益売却が中国政府から批判され、売却は頓挫するとの観測も出ている。この動きが通信事業の再編にも影響することは避けられない。

[香港、ロンドン発/ロイター]事情に詳しい2人の関係者が明らかにした。同社はこの計画について財務アドバイザーと協議を行っているという。

 通信事業はCKハチソン・グループで最も利益率の高い部門であり、2024年には営業利益の4分の1を生み出している。分離される新会社にはCKハチソンの欧州、香港、東南アジアの通信事業が統合される見通しだ。この事業の評価額は100億〜150億ポンド(130億〜190億ドル)程度になる可能性があると言う。

 近年で最大級のこの上場は、大型上場案件で他市場に後れを取っているロンドン証券取引所にとっては追い風だ。上記の関係者によれば、時期がずれ込む可能性はあるものの、早ければ今年中の上場を目指している。

 CKハチソンの広報担当者はコメントを控えた。

 CKハチソンは香港の富豪、李嘉誠が創業した。グループの収益性向上に注力しており、パナマ運河の権益を含む世界の港湾事業の大半を、米投資会社ブラックロックが主導するコンソーシアムに対し、142億ドルで売却する交渉を進めている。ドナルド・トランプ米大統領はこの取引をパナマ運河の「返還(reclaiming)」だと称賛している。同政権はかねてより、パナマ運河周辺の港に関する中国所有権の排除を求めていた。

 一方で、香港の親中紙『大公報』は、中国の国家利益を損なうとしてこの取引を批判する論評を連載し、中国に対する「裏切り」だと伝えている。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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