香港CKハチソン「パナマ運河権益」売却を中国が“公開非難”、企業の板挟みが鮮明に
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運営権売却の取引が差し止められる可能性も考えられる[パナマ運河入口のバルボア港。CKハチソンが運営する=2025年3月12日](C)AFP=時事
香港のCKハチソン・ホールディングス(長江和記実業)によるパナマ運河の港湾事業売却を中国共産党が非難し、注目を集めている。
ドナルド・トランプ大統領はパナマ運河を米国に取り戻すと公言している。軍事介入のシナリオまで検討していると報じられているが、実際にどのようなアクションが起き、どのような結末を迎えるのか、現時点ではまったく想像しえない。
こうした中で先手を打ってリスク回避の動きを示したのが、パナマ運河の重要港湾運営権を持つ香港企業CKハチソンだ。同社は3月4日、子会社ハチソン・ポート・ホールディングスが持つパナマ運河の港湾事業運営権の90%と、世界23カ国で港湾事業を営む子会社・関連会社の80%の実質的支配権益を、米投資会社ブラックロックが主導する投資家連合に売却すると発表した。
CKハチソンの創業者、李嘉誠(り・かせい)は中華圏を代表する大富豪だ。さすがの見切りと思われたが、意外なところから批判の声が上がった。

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