韓国警護当局が想定する金大中大統領の避難先

執筆者:Foresight 2000年5月号
エリア: アジア

 韓国警護当局は、南北首脳会談での金大中大統領に対する直接的、組織的な攻撃を最も警戒している。

 金大統領の平壌訪問には、機関銃以外の自動小銃、無線機や金属探知機を装備した約五十名の精鋭警護チームが同行する計画で、北朝鮮当局も火器などの装備持ち込みにほぼ同意したようだが、会談の会場となる万寿台議事堂付近への武器搬入などについてはまだ認めていない。

 韓国の警護担当関係者は、「金大統領への攻撃は、金正日総書記の意志とは関係がなく、起きる可能性があり、万全の準備をしなければならない」と語る。そして「武力が大統領に向けられた場合、中国大使館を第一の避難場所として考えている。中国も韓国の立場を十分に理解している」と打ち明ける。

カテゴリ: 政治
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
  • 24時間
  • 1週間
  • f