自民党内で、森喜朗首相では来年の参院選は戦えないと「ポスト森」を模索する動きが本格化している。大本命は加藤紘一元幹事長だが、若手には田中真紀子元科技庁長官や石原伸晃衆院議員を推す動きもある。次の参院選では参院自民党百六人のうち六十人が改選を迎えるが、現状維持も危うい。このため、年内にも首相交代を図りたいというのが党内の大勢だ。
このうち橋本龍太郎元首相が新たに率いる最大派閥・橋本派(旧小渕派)には、加藤氏を山崎拓元政調会長、森派会長の小泉純一郎元厚相のYKKの枠組から切り離し、条件さえ整えば、亀井静香政調会長ら江藤・亀井派とともに、「加藤政権」を目指すとの思惑がある。野中広務幹事長や青木幹雄前官房長官がYKK解散論をぶつのもその布石で、橋本再登板論も加藤氏を誘い出す道具立てとなっている。

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