カリーニングラード返還で前進したドイツと北方領土返還で失敗した日本 第二次世界大戦の敗戦国である日本とドイツが二十一世紀初頭、戦争によってロシアに奪われた領土問題で全く異なる対応を示している。日本外務省が「二島先行返還論」を提示して、結果的に北方領土問題を後退させ、二十世紀末までの平和条約締結に失敗したのに対し、ドイツはロシアの飛び地である旧ドイツ領カリーニングラードの「経済的領有権」獲得に向けて水面下で着々と動いていることが判明した。ソ連邦崩壊前後という領土問題解決の好機に、東西両独の統一に成功したドイツと、何もしなかった日本の外交能力が、十年後に再び試されつつある。

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