連載小説 Δ(デルタ)(21)

執筆者:杉山隆男 2017年9月10日
エリア: アジア
沖縄県・尖閣諸島の魚釣島と北小島、南小島 (C)時事

 

【前回までのあらすじ】

巡視船「うおつり」乗っ取りの報道と、スティンガーミサイルによる海保ヘリ撃墜の生々しい映像は、日本人に「本物の危機」を突き付けた。門馬・内閣危機管理監と後輩の滝沢・内閣情報官が見つめるテレビ画面の中からは、識者たちのいらだちと不安が手に取るようにわかるのだった。そんな中で滝沢は、乗っ取り犯の「愛国義勇軍」が中国の単なる反体制集団ではないことを口にしはじめた。

 

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執筆者プロフィール
杉山隆男(すぎやまたかお) 1952年、東京生れ。一橋大学社会学部卒業後、読売新聞記者を経て執筆活動に入る。1986年に新聞社の舞台裏を克明に描いた『メディアの興亡』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。1996年『兵士に聞け』で新潮学芸賞受賞、以後『兵士を見よ』『兵士を追え』とつづく「兵士シリーズ」は7作目の『兵士に聞け 最終章』で完結した。ノンフイクション、小説、エッセイなど精力的に執筆し、『汐留川』『昭和の特別な一日』『私と、妻と、妻の犬』など著書多数。
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