北朝鮮の張成沢(チャン・ソンテク)朝鮮労働党行政部長が「国家転覆(クーデター)陰謀」の罪で処刑されて約2カ月が経過した。党機関紙「労働新聞」など北朝鮮メディアには張成沢氏処刑以後は、これに直接関連する記事はほとんどなく、表面的には何事もなかったかのように事態は推移している。
しかし、張成沢氏粛清以降、「労働新聞」に掲載される「社説」が激増した。2013年12月10日から2014年2月8日までに掲載された「社説」は実に26本に上る。「労働新聞」では「社説」は最も重要な記事で、住民に党や国家の方針を伝え学習の対象にもなる。日本の新聞のように毎日「社説」が掲載されるわけでなく、1週間に1度しか掲載されないことも珍しくない。しかし、張成沢氏が死亡して以降は2、3日に1回のペースで社説が発表されている。こんなに「社説」が数多く掲載されたことは最近ではあまり例がない。金正日(キム・ジョンイル)総書記が亡くなった時でもこんなに多くはなかった。

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