米民主党は新たな「公共哲学」を語れるか

執筆者:中山俊宏 2006年6月号
エリア: 北米

中間選挙まで半年となった今、民主党への追い風が吹く。だが、民主党には払拭せねばならない“四つの神話”があった。 ブッシュ政権が二〇〇一年に誕生して以来、民主党にとって追い風がここまで強く吹いていたことはない。イラク戦争の長期化、ハリケーン「カトリーナ」直撃後の混乱とその後の責任の押しつけあい、そして共和党議会指導部とKストリート(ロビー業界)の癒着など、〇六年十一月の中間選挙まで約半年というタイミングで、民主党は恰好の攻撃材料を手に入れたといえる。 この三つの問題は、外交・安全保障、内政、権力の運用という面で、共和党支配の失態を象徴している。これに加えガソリン代の高騰も、共和党攻撃の恰好の材料となっている。新たに表面化した不法移民問題も、党内に対不法移民強硬派を抱える共和党にとって、より扱いにくい問題である。五年余り続いた共和党政治に代わる変化を有権者は求めている。また常に燻り続けてきた保守派内部の矛盾がここにきて目立ち始めているという状況もある。

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執筆者プロフィール
中山俊宏 1967年生れ。慶應義塾大学総合政策学部教授、日本国際問題研究所上席客員研究員。専門はアメリカ政治・外交、国際政治。日本政府国連代表部専門調査員、津田塾大学国際関係学科准教授、青山学院大学国際政治学科教授を経て、2014年より現職。著書に『アメリカン・イデオロギー――保守主義運動と政治的分断』(勁草書房、2013年)、『介入するアメリカ――理念国家の世界観』(勁草書房、2013年)、共著に『アメリカ現代政治の構図』(東京大学出版会)、『アメリカのグローバル戦略とイスラーム世界』(明石書店)などがある。
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