民主党の小沢一郎代表が五月十一日についに辞任を決断したことは与野党双方に大きな衝撃を与えた。衆院選に向けた自民党と民主党の攻防は、一旦ふりだしに戻ったと言えるだろう。 民主党は三月三日に小沢氏の公設第一秘書の大久保隆規容疑者が逮捕されて以降、それまで上昇基調にあった政党支持率が一転して下降線をたどっていた。小沢氏の辞任によってその傾向に歯止めがかかり、上昇に転ずるのは確実とみられるが、その勢いを衆院選まで持続できるかどうか。それは、新代表の力量による。 これに対して、自民党、とりわけ麻生太郎首相は頭を悩ませていることだろう。どの時期に衆院解散・総選挙を仕掛けるのが有利かという損得勘定について、再考が必要になったからだ。

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