中東―危機の震源を読む
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「知識・政策を売る」見本市ワシントンを歩く
[ワシントン発]ワシントンDC滞在も二カ月目である。中東関係の研究機関や団体への訪問を繰り返し、中東政策論が作られる場を肌身で感じようと試みている。 ワシントンへの中東をめぐる情報の集まり方は圧倒的である。「連日」の「朝昼晩」に、必ずどこかで中東関連の催しが行なわれている。米国各地の主要大学や、英国、中東諸国から主要な研究者が訪れてセミナーや会議で講演し、知識や政策を「売る」見本市のような場所である。多くは一般公開なので、なるべく足を運ぶ。講演者だけでなく、それぞれの場所にどのような人が現れ、どのような議論や私語を交わしているか、いわば「人類学調査」を行なうのが滞在の目的である。

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