米「イラク戦後」統治 GHQ方式は断念か

執筆者: 2003年1月号
タグ: 日本
エリア: 中東 北米

 イラクのフセイン政権を打倒した後、米軍が長期間イラクを占領統治する連合国軍総司令部(GHQ)方式を、米政府は断念した模様だ。 イラクの戦後処理については、米政府の省庁間委員会で、(1)民主的新政権の誕生まで米軍が駐留し、治安維持や社会・経済活動を支援する、(2)東京裁判型の戦犯追及を行なう、(3)フランクス中央軍司令官がマッカーサー司令官のように占領を指揮する――との“日本モデル”が検討され、ニューヨーク・タイムズでも報じられた。 しかし、政府内の中東や日本に関する専門家から、「フセイン大統領は処刑ないし追放され、昭和天皇の役割を果たすことはありえない」「イラク人は日本人のように従順でない」「イラクは日本と違って多民族国家であり、統治が困難」といった異論が噴出。米軍統治方式は、膨大な駐留経費の割に効果は少ないとの見方も出た。

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