深層レポート 日本の政治
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意気あがる首相の「大それた挑戦」「いつもの挑発」
政権発足三年目に入った四月二十六日、小泉純一郎首相は欧州訪問に旅立った。英国、スペイン、フランス、ドイツ、ギリシャ五カ国を回る七泊八日の旅。イラク復興支援問題が最大のテーマだった。最初の訪問地ロンドンに向かう機中で、首相は同行記者団に熱っぽく意気込みを語っている。「イラク復興は国際協力の下で支援することがイラク国民にとっても、米国にとっても望ましい。率直に訪問国と話し合って、国際協調体制をつくり上げていきたい」。そして、「エビアン・サミット前に米国を訪問し、ブッシュ大統領と意見交換したい」とも付け加えた。六月一日からのエビアン・サミットに向け自分が米欧の調整に動く、根回し役を引き受けるとの決意表明だった。

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