国際人のための日本古代史 (20)

混迷の時代と女王・女帝

執筆者:関裕二 2011年10月19日
タグ: 日本

 日本史の原点、古代史をふり返ってみると、ピンチのたびに、女王、女帝が求められていたことに気付かされる。たとえば卑弥呼は、2世紀末、倭国の起死回生の切り札として押し立てられている。
 もともと倭国に君臨していたのは男王だったが、戦乱が続いた。そこで、卑弥呼が担ぎ上げられたのである。

卑弥呼、台与、推古天皇

前方後円墳は「女王の時代」に始まった(写真は仁徳天皇陵)(C)時事
前方後円墳は「女王の時代」に始まった(写真は仁徳天皇陵)(C)時事

 卑弥呼は鬼道(きどう)を駆使し、民衆を惑わしたという。長い戦乱によって道しるべを失った民は、神の言葉を求め、女王のカリスマ性にすがったのだろう。

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カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
関裕二(せきゆうじ) 1959年千葉県生れ。仏教美術に魅せられ日本古代史を研究。武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。著書に『藤原氏の正体』『蘇我氏の正体』『物部氏の正体』、『「死の国」熊野と巡礼の道 古代史謎解き紀行』『「始まりの国」淡路と「陰の王国」大阪 古代史謎解き紀行』『「大乱の都」京都争奪 古代史謎解き紀行』『神武天皇 vs. 卑弥呼 ヤマト建国を推理する』など多数。最新刊は『古代史の正体 縄文から平安まで』。
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