プーチン大喜び「ロシアは世界一の柔道大国」

 ロンドン五輪柔道でのロシア・チームの躍進に、柔道家プーチン大統領の喜びようは尋常ではなかった。8月2日、日帰りで訪英し、キャメロン首相との首脳会談を早々に切り上げると、首相と柔道の競技場に向かった。

 首脳会談では、キャメロン首相がロシアのアサド・シリア政権支援や女性ロックグループ逮捕で攻勢に出て、大統領はたじたじだったが、道場では大統領が首相に通訳を介してルールや技を手振りで教え、ロシアのニュース番組では「英首相を指導する大統領」の姿が報道された。

「天覧試合」となった当日の男子100キロ級では、ダゲスタン共和国出身のハイブラエフ選手が決勝でモンゴル選手に一本勝ちして金メダルを獲得。上着を脱いだ大統領は立ち上がり、両手を挙げて万歳した。大統領は畳から降りた選手に駆け寄り、顔をなでて祝福。「よくやった。ロシアの誇りだ」と絶賛した。

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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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