「遊民経済学」への招待 (16)

北海道に関する遊民経済学的考察

執筆者:吉崎達彦 2015年10月31日
エリア: 北米 アジア

 講演会でエコノミストの需要があるのは、だいたいが関東から西日本にかけてである。
 筆者の場合、今年は大阪で3回、名古屋は2回、後は福岡、山口、倉敷、松山、高松、神戸、四日市などで1回ずつ講演会に呼んでもらっている。あとは神奈川、埼玉、千葉、群馬、茨城など。今年は北陸新幹線が開通したからか、富山、石川、福井での仕事もあった。ところが北海道や東北からはあんまりお声がかからない。今年は宮城県に1回行ったきりである。
 先週はめずらしく北海道に行く機会があった。第42回日本ニュージーランド経済人会議が、苫小牧市で行われたからである。TPP交渉が今月で合意に至ったことや、ラグビーW杯におけるオールブラックス快進撃といった話題は、ほかのところで書いたのでここでは触れない。本稿の主題は、筆者にとって希少な機会となる北海道である。

 2日間にわたる会議を終えた翌朝、タクシーを飛ばして苫小牧港に来た。あいにく水曜日で市場は休みであったが、ぷらっとみなと市場の食堂は開いていた。午前6時50分、その日いちばん乗りのお客さんになってカニイクラ丼1400円也をいただく。せっかく来たんだから、これくらいは思い出づくりということで。

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執筆者プロフィール
吉崎達彦(よしざきたつひこ) 双日総合研究所チーフエコノミスト。1960年(昭和35年)富山市生まれ。一橋大学社会学部卒業後、1984年日商岩井(現双日)に入社。米国ブルッキングス研究所客員研究員、経済同友会調査役などを経て現職。新聞・経済誌・週刊誌等への執筆の他、「サンデープロジェクト」等TVでも活躍。また、自身のホームページ「溜池通信」では、アメリカを中心に世界の政治経済について鋭く分析したレポートを配信中。著書に『溜池通信 いかにもこれが経済』(日本経済新聞出版社)、『1985年』(新潮新書)など、共著に『ヤバい日本経済』(東洋経済新報社)がある。
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