「憲法9条改正」を考える(下)「軍法」なき「自衛隊」

2001年3月、えひめ丸沈没事故の責任を問われ、海軍査問委員会に出席した米原潜「グリーンビル」のワドル前艦長 (C)時事
前回は、「ユス・アド・ベルム(jus ad bellum)=開戦法規」を軸に憲法問題を論じてみた。今度は「ユス・イン・ベロ(jus in bello)」の観点から述べてみたい。
戦争にも厳しい「国際ルール」がある
「ユス・イン・ベロ」は、「交戦法規」とか「武力紛争法規」と訳される。「ユス・アド・ベルム」が戦争そのものの正当性に関する国際法であるのに対し、「ユス・イン・ベロ」は、宣戦布告の有無にかかわらず交戦状態中の規定、つまり戦争のルールであり、一般には「国際人道法」、「戦時国際法」と呼ばれているもののことである。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン