
「立場不鮮明」と「価値中立」のメルケル流で凌いできたが……(C)EPA=時事
アンゲラ・メルケル首相の「終わり」がいよいよ現実味を帯びている。
仮に、3月4日の社会民主党(SPD)党員による投票で連立合意の支持が得られても、メルケル首相が任期4年を全うできると考える者は多くない。現に、ある世論調査では、47%もの人がメルケル首相の途中降板を予測する。昨年9月の総選挙前までは向かうところ敵なしで、ヨーロッパの自由民主主義を守る最後の砦のようですらあった。それが連立交渉のもたもたですっかり指導力を失ってしまった。連立合意でSPDに財務相ポストを持っていかれたことは、その指導力低下を何にもまして物語る。

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