「人手不足」と外国人 (24)

「幸せの国」ブータン留学生の「不幸せ」な実態(3)ブローカーを持ち上げた『朝日新聞』の罪

執筆者:出井康博 2018年8月27日
タグ: 人手不足 日本
エリア: アジア
ブータンから留学生を送り出した青木薫氏を取り上げた、『朝日新聞』2017年10月28日付記事(筆者撮影)

 

「幸せの国」として知られるブータン――。そのブータンから2017年、留学生として来日したドルジ君(仮名・20代)は、日本で不幸な暮らしを強いられている。母国で背負った借金の返済のため、アルバイトに明け暮れる毎日だ。肝心の日本語の勉強は捗らず、このままでは目標の大学院への進学も難しい。

 ドルジ君は、ブータン労働人材省が昨年から始めた日本への留学制度「The Learn and Earn Program」(学び・稼ぐプログラム)で来日した。同プログラムを利用し、日本の日本語学校へ入学したブータン人は735人を数える。人口80万に満たないブータンでは、かなりの数である。なぜ、こんな制度がつくられたのか。

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執筆者プロフィール
出井康博(いでいやすひろ) 1965年、岡山県生れ。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『日経ウィークリー』記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)を経てフリーに。著書に、本サイト連載を大幅加筆した『ルポ ニッポン絶望工場」(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『松下政経塾とは何か』(新潮新書)など。最新刊は『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)
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