離脱協定案否決!高まった英国「合意なきBREXIT」の可能性

執筆者:渡邊啓貴 2019年1月16日
エリア: ヨーロッパ
採決直前まで必死で訴えるメイ首相だったが……(C)AFP=時事

 

 1月15日夜、英国下院で「英国のEU離脱(BREXIT)」のためのEU(欧州連合)との離脱協定合意案について、承認採決が行われた。結果は、202の支持票に対して否決票が圧倒的に上回って432票となり、厳しい交渉の末に昨年11月にようやく落ち着いたEUとの合意は、実現されないこととなった。

 ジャン=クロード・ユンケル欧州委員会委員長は、この結果を踏まえて「合意なしの離婚だ」と語気を強め、「英国は直ちにその意思を明確にすべきだ」と厳しい調子で語った。

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執筆者プロフィール
渡邊啓貴(わたなべひろたか) 帝京大学法学部教授。東京外国語大学名誉教授。1954年生れ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程・パリ第一大学大学院博士課程修了、パリ高等研究大学院・リヨン高等師範大学校・ボルドー政治学院客員教授、シグール研究センター(ジョージ・ワシントン大学)客員教授、外交専門誌『外交』・仏語誌『Cahiers du Japon』編集委員長、在仏日本大使館広報文化担当公使(2008-10)を経て現在に至る。著書に『ミッテラン時代のフランス』(芦書房)、『フランス現代史』(中公新書)、『ポスト帝国』(駿河台出版社)、『米欧同盟の協調と対立』『ヨーロッパ国際関係史』(ともに有斐閣)『シャルル・ドゴ-ル』(慶應義塾大学出版会)『フランス文化外交戦略に学ぶ』(大修館書店)『現代フランス 「栄光の時代」の終焉 欧州への活路』(岩波書店)など。最新刊に『アメリカとヨーロッパ-揺れる同盟の80年』(中公新書)がある。
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