
「自主独立」の意味にとことんこだわっていく(左・細谷雄一さん、右・篠田英朗さん)(撮影・廣瀬達郎、以下同)
細谷雄一:イラク戦争の後に、あるアメリカ人の外交専門家が、『ザ・サイレンス・オブ・ラショナル・センター』というおもしろい本を書いています。これによると、「ラショナル・センター」、すなわち「合理的な中道派の人たち」は、世の中で起きている問題についてほとんど発言しない。発言すればたたかれることがわかっていますから、発言しないことが合理的なんですね。合理的で理性的な人は、世の中にいろんなおかしいこと、間違っていることがあるとわかってはいますが、批判されたくないから沈黙する。これを続けていたら大変なことになる、というのがこの本の警鐘で、私はタイトルも含め、非常に強い印象を受けた。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン