英国「ラスプーチン」ロックダウン下の「感染旅行」が招く「政権破綻」

執筆者:国末憲人 2020年6月8日
タグ: 新型コロナ
エリア: ヨーロッパ
「英国の怪僧ラスプーチン」「首相を操る男」「陰の副首相」「現代のゲッベルス」だのと呼ばれた首相官邸の首席特別顧問カミングズも、今やすっかり「国民の敵」扱いだ (筆者撮影、以下同)

 

 昨年12月の総選挙で大勝し、議会の圧倒的多数を握った英国のジョンソン政権は、順風満帆の任期5年を全うするはずだった。しかし、予想に反して半年足らずの間に窮地に陥り、早くも破綻の気配さえ見せ始めている。

「首相を操る男」

 他の欧州各国の多くは、6月に入って新型コロナウイルスの災禍から徐々に抜け出し、ロックダウン(外出規制)を解除して正常化と経済復興に向かっている。その後ろ姿を遠く見つめながら、英国だけがぽつんと取り残された。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
国末憲人(くにすえのりと) 東京大学先端科学技術研究センター特任教授 1963年岡山県生まれ。85年大阪大学卒業。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。パリ支局長、論説委員、GLOBE編集長、朝日新聞ヨーロッパ総局長などを歴任した。2024年1月より現職。著書に『ロシア・ウクライナ戦争 近景と遠景』(岩波書店)、『ポピュリズム化する世界』(プレジデント社)、『自爆テロリストの正体』『サルコジ』『ミシュラン 三つ星と世界戦略』(いずれも新潮社)、『イラク戦争の深淵』『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?』(いずれも草思社)、『ユネスコ「無形文化遺産」』(平凡社)、『テロリストの誕生 イスラム過激派テロの虚像と実像』(草思社)など多数。
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