
高市皇子が造営にいそしんだ「新益京」(藤原宮)(筆者撮影)
8月28日、安倍晋三首相が、辞任を表明した。
政策に対する評価は大きく分かれるし、酷評されることも多かったが、そもそも首相という職業は「憎まれてナンボ」だと思う。国民の知らない情報や難題に対処するために、はたから見れば理不尽と思えるような施策を打っていかなければならない。どれだけ非難されようと、孤独に耐えねばならないのだ。その点、安倍首相は、よく憎まれ、よく踏ん張ったと思う。
そして、外交力はずば抜けていた。日本の首相の枠を飛び越え、世界の首脳から一目置かれていたし、頼りにもされていた。安倍首相が日本の存在感を高めたことは、間違いないし、少なくともこの点に関しては、功績として素直に認めるべきではなかろうか。

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