国際人のための日本古代史 (129)

『竹取物語』に隠されたかぐや姫「天の羽衣」の秘密

執筆者:関裕二 2020年11月9日
タグ: 日本
エリア: アジア
住吉大社の神事は、もとは天香具山の埴土を用いていたのだが……(第三宮。筆者撮影、以下同)
 

 天香具山(奈良県橿原市)を巡る不思議で貴重な縁とヒントを得たので、説明しておきたい。天香具山は大和三山のひとつで、古くは「ヤマトの物実(ものざね)」と称えられ、古代ヤマト政権がもっとも重視した霊山だ。

 住吉大社(大阪市住吉区)と天香具山の話である。なぜ住吉大社は天香具山で行っていた祭祀を、畝傍(うねび)山(橿原市)で行うようになったのか。今も毎年、住吉大社から畝傍山麓の畝火山口神社に使者が遣わされ、畝傍山の「埴土(はにつち)」をもらい受け、祭事を行うのだ。埴土は、コロコロとした粒状の土で、畝傍山中の秘密の場所に毎年「できあがっている」のだという。じつは、この土を分析したら「コフキコガネ」という虫の糞だった。

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カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
関裕二(せきゆうじ) 1959年千葉県生れ。仏教美術に魅せられ日本古代史を研究。武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。著書に『藤原氏の正体』『蘇我氏の正体』『物部氏の正体』、『「死の国」熊野と巡礼の道 古代史謎解き紀行』『「始まりの国」淡路と「陰の王国」大阪 古代史謎解き紀行』『「大乱の都」京都争奪 古代史謎解き紀行』『神武天皇 vs. 卑弥呼 ヤマト建国を推理する』など多数。最新刊は『古代史の正体 縄文から平安まで』。
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