焦点はサムスンの「地政学的価値」――安保と経済で揺れる韓国

【特別企画】激動経済:「米中産業冷戦」の時代 (第3回)

執筆者:後藤康浩 2021年7月5日
エリア: アジア 北米
サムスンの半導体主力拠点でセレモニーに臨む文在寅大統領(中央)。21年の韓国の半導体輸出額は史上初めて1000億ドルを突破する見通しだ   ©︎EPA=時事
中国の「台湾侵攻リスク」がつきまとう半導体サプライチェーンにおいて、輸出額で日本の自動車にも並ぶ勢いの韓国半導体産業は、まさに最強のオルタナティブだと言えるだろう。なかでもサムスン電子の存在感は際立つが、安全保障で対米関係、経済では対中関係が生命線となる韓国の矛盾は、その経営をダイレクトに翻弄する。

 米中冷戦は米中双方の陣営構築が急速に進み、冷戦構造がより鮮明になっている。多くの国がいずれに与すべきか、危うく、困難な判断を迫られているが、なかでも最も難しい立場にあるのは韓国だろう。輸出(2019年)の25.1%が中国向けで、米国と欧州連合(EU)向けの合計23.2%を上回るほど対中依存度が高い一方、北の脅威と向き合う安全保障は米国抜きでは成り立たない。

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カテゴリ: 経済・ビジネス 政治
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執筆者プロフィール
後藤康浩 亜細亜大学都市創造学部教授、元日本経済新聞論説委員・編集委員。 1958年福岡県生まれ。早稲田大政経学部卒、豪ボンド大MBA修了。1984年日経新聞入社。社会部、国際部、バーレーン支局、欧州総局(ロンドン)駐在、東京本社産業部、中国総局(北京)駐在などを経て、産業部編集委員、論説委員、アジア部長、編集委員などを歴任。2016年4月から現職。産業政策、モノづくり、アジア経済、資源エネルギー問題などを専門とし、大学で教鞭を執る傍ら、テレビ東京系列『未来世紀ジパング』などにも出演していた。現在も幅広いメディアで講演や執筆活動を行うほか、企業の社外取締役なども務めている。著書に『アジア都市の成長戦略』(2018年度「岡倉天心記念賞」受賞/慶應義塾大学出版会)、『ネクスト・アジア』(日本経済新聞出版)、『資源・食糧・エネルギーが変える世界』(日本経済新聞出版)、『アジア力』(日本経済新聞出版)、『強い工場』(日経BP)、『勝つ工場』(日本経済新聞出版)などがある。
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