女性政治家の活躍を押すもの、阻むもの(上)

執筆者:三牧聖子 2022年4月23日
エリア: 北米
 
アメリカ初の女性副大統領として輝かしく登場したカマラ・ハリス氏が、支持率の低下に直面している。彼女は何を期待され、誰を失望させたのか。女性であり、黒人であるというアイデンティティと密接にかかわるカマラ・ハリスの浮き沈みを考える。

*この記事は2月10日に行われた講演内容をまとめたものです。各データは同日時点の数値に基づきます。

西村博一(フォーサイト編集長):本日のフォーサイトセミナーは、高崎経済大学准教授(当時)の三牧聖子先生を講師にお迎えして、「女性政治家の活躍を押すもの、阻むもの」をテーマにお届けします。

 今回のテーマの中心人物を1人挙げるとすれば、アメリカ副大統領のカマラ・ハリス氏かと思います。アメリカ初の女性副大統領となったハリス氏は、就任当初は国民の高い支持を得ましたが、政権発足から1年を経た現在、支持率低下に悩むジョー・バイデン大統領をも大幅に下回る支持率という状況になっています。それはなぜなのか、彼女が女性だからなのか、あるいは、インドとジャマイカからの移民の娘として生まれた、という出自に影響されているのか。

カテゴリ: 政治 社会 カルチャー
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執筆者プロフィール
三牧聖子(みまきせいこ) 同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授。国際関係論、外交史、平和研究、アメリカ研究。東京大学教養学部卒、同大大学院総合文化研究科で博士号取得(学術)。日本学術振興会特別研究員、早稲田大学助手、米国ハーバード大学、ジョンズホプキンズ大学研究員、高崎経済大学准教授等を経て2022年より現職。2019年より『朝日新聞』論壇委員も務める。著書に『戦争違法化運動の時代-「危機の20年」のアメリカ国際関係思想』(名古屋大学出版会、2014年、アメリカ学会清水博賞)、『私たちが声を上げるとき アメリカを変えた10の問い』(集英社新書)、『日本は本当に戦争に備えるのですか?:虚構の「有事」と真のリスク』(大月書店)、『Z世代のアメリカ』(NHK出版新書) など、共訳・解説に『リベラリズムー失われた歴史と現在』(ヘレナ・ローゼンブラット著、青土社)。
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