女性政治家の活躍を押すもの、阻むもの(下)

執筆者:三牧聖子 2022年4月24日
エリア: 北米
連邦最高裁判事就任が決まったケタンジ・ブラウン・ジャクソン判事(左)とカマラ・ハリス副大統領(中)――バイデン(右)「多様性」政権のシンボルだったはずだが (C)EPA=時事
ダメな男性上司は批判されないけど、ダメな女性上司は批判されるというのが今の状況なら、ダメな女性上司が当然にいるような社会が、本当の意味での平等で民主的な社会ではないか、と筆者は言う。
 

*『女性政治家の活躍を押すもの、阻むもの』(上)はこちらからお読みいただけます。

「#Me Too運動」と「MeToo運動」

三牧聖子:一般的に知られている#Me Too運動は、2017年にハリウッド女優のアリッサ・ミラノがSNSで「もしあなたも過去に性的暴力を受けたことがあって言えないのなら、一緒に分かち合いましょう。Me Tooと言って」と発言したことで爆発的に広まったのが最初です。ハリウッドの大物プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインが、自分の権力を使って多くの女優たちに性的暴行を働いていたことが明るみになった。 

カテゴリ: 政治 社会 IT・メディア
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執筆者プロフィール
三牧聖子(みまきせいこ) 同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授。国際関係論、外交史、平和研究、アメリカ研究。東京大学教養学部卒、同大大学院総合文化研究科で博士号取得(学術)。日本学術振興会特別研究員、早稲田大学助手、米国ハーバード大学、ジョンズホプキンズ大学研究員、高崎経済大学准教授等を経て2022年より現職。2019年より『朝日新聞』論壇委員も務める。著書に『戦争違法化運動の時代-「危機の20年」のアメリカ国際関係思想』(名古屋大学出版会、2014年、アメリカ学会清水博賞)、『私たちが声を上げるとき アメリカを変えた10の問い』(集英社新書)、『日本は本当に戦争に備えるのですか?:虚構の「有事」と真のリスク』(大月書店)、『Z世代のアメリカ』(NHK出版新書) など、共訳・解説に『リベラリズムー失われた歴史と現在』(ヘレナ・ローゼンブラット著、青土社)。
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