クアッド結束を支えるインド・オーストラリア:脱中国依存で深まる経済関係

執筆者:緒方麻也 2022年6月1日
タグ: インド
エリア: アジア オセアニア
クアッド首脳会議に臨んだモディ印首相とアルバニージー豪首相(C)AFP=時事
中国に対して日米豪印の結束をアッピールしたクアッド首脳会議。この成果は、近年急接近するインドとオーストラリアの関係を抜きには語れない。


 アジア・太平洋において自由や民主主義、法の支配といった価値観を共有する日米豪印4カ国「クアッド」の首脳会談が5月24日に東京で開催された。海洋進出や軍拡を加速させる中国ににらみを利かせるとともに、ロシアのウクライナ侵攻という新たな問題への対処も迫られた4カ国だったが、会議前日に就任したばかりのアンソニー・アルバニージー豪首相を盛り立て、「対中国」ではしっかりと結束をアピールすることができた。

経済・防衛で関係を深めるインドとオーストラリア

 両国は2006年に「防衛協力覚書」に調印、2009年には「安保協力に関する共同宣言」を出している。クアッドと同じ日米豪印による合同軍事訓練「マラバール」などを通じてこれまでに10回の2国間演習、17回の多国間演習を実施しており、相互の兵員派遣や兵器の共同開発・生産にも乗り出した。

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カテゴリ: 経済・ビジネス 政治
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執筆者プロフィール
緒方麻也(おがたまや) ジャーナリスト。4年間のインド駐在を含め、20年にわたってインド・パキスタンや南アジアの政治・経済の最前線を取材、分析している。「新興国において、経済成長こそがより多くの人を幸福にできる」というのが信条。
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