北朝鮮「党・軍・内閣」大幅人事:照準は「未曽有の国難」打開(下)

執筆者:平井久志 2022年6月27日
タグ: 北朝鮮 金正恩
エリア: アジア
6月14日、北朝鮮の豊渓里核実験場にある西側坑道付近を撮影した衛星写真[CSIS/Beyond Parallel (C)Airbus DS 2022提供](C)時事
自ら「未曾有の国難」にあるとアピールする中、7回目の核実験を実施するかどうかに注目が集まっている北朝鮮。対外関係や気候といった条件が整ったところで、戦術核の実験を行う可能性があるが、この秋に党大会が予定されている中国の意向を無視してまで強行することは考えにくい。(上編はこちらのリンク先から、中編はこちらのリンク先からお読みいただけます)

 党中央委総会拡大会議の結果を伝えた「報道」は、北朝鮮の置かれた現状を「未曽有の国難」、「未曽有の厳しい試練」、「未曽有の厳しくて困難な時期」、「類例のない国難」という表現で強調した。

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 これまで述べてきた大規模な人事も、このままでは直面している「未曽有の国難」に打ち勝つことができないという判断があり、実務型、統制強化型の人材を多く起用している。一度処分を受けた朴泰成(パク・テソン)氏、金頭日(キム・ドゥイル)氏の再起用や、鄭京択(チョン・ギョンテク)前国家保衛相のような秘密警察による統制を担当してきた人物の、軍の統制を担当する軍総政治局長への起用などがそれを物語る。

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執筆者プロフィール
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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