
決選投票に進んだスナク前財務相とトラス外相(C)AFP=時事
英国を代表する憲法学者でオックスフォード大学名誉教授のヴァーノン・ボグダナーも、ボリス・ジョンソンにポピュリズムを見る。『テレグラフ』紙への寄稿で、彼はジョンソンを「ポスト2008年政治の産物」と位置づけた。
2008年は、リーマン・ショックに端を発した世界金融危機の年である。新自由主義と市場万能の発想が生んだこの危機の後には、社会民主主義の時代が到来すると、当初は予想された。しかし、ふたを開けると、実際に台頭したのは社会民主主義ではなく、ナショナリズムとポピュリズムであった。「理念」(アイデア)の政治から「アイデンティティー」の政治への転換が起きたのである。

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