やっぱり残るは食欲 (19)

ケチるなバター

執筆者:阿川佐和子 2024年2月7日
カテゴリ: カルチャー
エリア: アジア
身体に悪いと分かっていながら、たっぷりのバター……美味しいですよね(写真はイメージです)(rodeopix / Pixabay

 新鮮な牛乳をいただいた。九百ミリリットル入りのボトルである。ペットボトルのお茶のほぼ二倍の量だ。嬉しい。嬉しいけれど、そうそうグビグビ飲めない。

 小さい頃は牛乳が嫌いだった。その名残があるのか。もはや嫌いではないが、水のようにグビグビ飲む気にはならない。

 こうして、いただいた新鮮な牛乳が封を切らぬまま、冷蔵庫の中に数日間お休みあそばしていた。その事態を発見した相方様が、

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執筆者プロフィール
阿川佐和子(あがわさわこ) 1953年東京生まれ。報道番組のキャスターを務めた後に渡米。帰国後、エッセイスト、小説家として活躍。『ああ言えばこう食う』(集英社、檀ふみとの共著)で講談社エッセイ賞、『ウメ子』(小学館)で坪田譲治文学賞、『婚約のあとで』(新潮社)で島清恋愛文学賞を受賞。他に『うからはらから』(新潮社)、『正義のセ』(KADOKAWA)、『聞く力』(文藝春秋)など。
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