ベネズエラの権力中枢は「マドゥロ排除」後も結束を維持

2026年1月4日
エリア: 中南米
2018年5月24日、ベネズエラの首都カラカスの連邦議会宮殿で開かれた制憲議会の特別会合に、再選された大統領として宣誓するため到着したマドゥロ大統領。右は妻のシリア・フローレス、左はデルシー・ロドリゲス制憲議会議長(当時。現副大統領)(C)REUTERS/Marco Bello
ドナルド・トランプ米大統領が「衝撃的で力強かった」と自賛したベネズエラの指導者ニコラス・マドゥロ拘束劇だが、その完了後も「石油資源に富むこの国の運営者は誰なのか」という不明瞭な問題が残されている。

[ロイター]トランプは3日、マドゥロ拘束後に副大統領のデルシー・ロドリゲスが就任宣誓を行い、米国のマルコ・ルビオ国務長官とも協議したと述べた。これを受け、ロドリゲスが実権を握るのではないかとの観測が広がった。ベネズエラ憲法では、マドゥロ不在時にはロドリゲスが大統領代行となる。実際、同国の最高裁は3日深夜、ロドリゲスに職務を引き継ぐよう命じている。

 しかし、そのトランプ発言から間もなく、ロドリゲスは国会議長で兄のホルヘ・ロドリゲス、内務相のディオスダド・カベージョ、国防相のウラディミール・パドリノ・ロペスを従え国営テレビに登場し、マドゥロが依然としてベネズエラ唯一の大統領だと宣言した。マドゥロと権力を分かち合ってきた中枢グループが、少なくとも現時点では結束を保っていることを示した形だ。

 トランプは3日、マドゥロに対抗し得る最有力の人物と広く見られてきた野党指導者でノーベル賞受賞者のマリア・コリナ・マチャドとの協力を、国内で支持を得ていないとして否定した。マチャドは2024年の大統領選への出馬を禁じられたが、国際監視団によれば、彼女の代替候補が地滑り的勝利を収めたとされる。マドゥロ政権はこれを認めず、自陣営の勝利を主張してきた。

軍に大きな影響力を持つ二人、カベージョ内務相(左)とロペス国防相(右)[2025年12月4日、ベネズエラ・カラカス](C)REUTERS/Leonardo Fernandez Viloria

焦点はカベージョ内務相

 過去10年以上にわたり、ベネズエラの実権は少数の高官からなるインナーサークルによって握られてきた。ただし、その体制は、汚職と監視によって維持される、広範な忠誠者ネットワークと治安機関に依存していると、分析筋や当局者は指摘する。

 権力中枢では、文民と軍の均衡が保たれている。各メンバーはそれぞれ固有の利害と後援ネットワークを持つ。

カテゴリ: 軍事・防衛
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