ブックハンティング・クラシックス (24)

ハイエクがとうに見抜いていた計画経済という「思想」の愚かさ

執筆者:会田弘継 2007年2月号

“The Road to Serfdom”Friedrich A. von Hayek著University of Chicago Press 1976年刊日本語版には『隷属への道』(西山千明訳、春秋社、1992年刊)と『隷従への道』(一谷藤一郎・一谷映理子訳、東京創元社、1992年刊)がある「冷戦」のことを語り出すと、今ではときどき若い人たちから笑いものにされる。それもしょうがないか、という気もする。なにしろ、ことし大学に現役入学するのは一九八八年生まれなのだ。ベルリンの壁崩壊の前年である。ことし就職する学生たちでさえ、その年には幼稚園に上がったか上がらないか。冷戦などといってもピンと来ないのは当然だ。

カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
会田弘継(あいだひろつぐ) 関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『世界の知性が語る「特別な日本』』 (新潮新書)『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ著『政治の衰退』(講談社)など。
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