ブックハンティング・クラシックス (72)

日米安保「生みの親」元米国務長官の『戦争か平和か』

 元米国務長官ジョン・フォスター・ダレスで思い出すのは、1950年6月25日に始まった朝鮮戦争勃発当時のことである。

 当時、わが家は奈良に住んでいたが、父が大阪市住吉区帝塚山にももう1軒もっていたので、私は大阪府立住吉高校に通った。そのため、近鉄・奈良線を利用した。その沿線の若江岩田駅付近の町工場がにわかに活況を呈しだした。朝鮮戦争による「朝鮮特需」のためである。

 当時、ダレスは民主党のトルーマン政権のディーン・アチソン国務長官の下で国務長官顧問のポストについていた。『戦争か平和か』(藤崎万里訳)はその頃の著作である。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
佐瀬昌盛(させまさもり) 防衛大学校名誉教授。1934年生れ。東京大学大学院修了。成蹊大学助教授、防衛大学校教授、拓殖大学海外事情研究所所長などを歴任。『NATO―21世紀からの世界戦略』(文春新書)、『集団的自衛権―論争のために』(PHP新書)など著書多数。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top