ブックハンティング・クラシックス
ブックハンティング・クラシックス (71)

ベストセラー『ヒトラーとは何か』作者が描く「奇蹟」「錯誤」と「ユダヤの血」(下)

執筆者:佐瀬昌盛 2019年8月12日
エリア: ヨーロッパ

(7)ヒトラーとエヴァ・ブラウンの素姓

 ではアドルフ・ヒトラー自身は純粋にゲルマン、つまりオーストリア人またはドイツ人だったのか。必ずしもそうではないとする説がいくつもある。まずドイツの例を挙げる。

 週刊誌『シュピーゲル』は少なくとも2回、この問題を扱っている。まず1957年第24号。その表題は「アーリアの証拠なし」。ここでは『ヒトラーの青年期』の著者、フランツ・イェッツィンガーの説が紹介されていて、それによると、ヒトラーには4分の1、ユダヤの血が混じっている、つまり祖父がユダヤだったというのであった。ただし、イェッツィンガーはアドルフの父アロイス・ヒトラーが2分の1ユダヤであるとするには十分な証拠が欠けているとしていた。

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執筆者プロフィール
佐瀬昌盛 防衛大学校名誉教授。1934年生れ。東京大学大学院修了。成蹊大学助教授、防衛大学校教授、拓殖大学海外事情研究所所長などを歴任。『NATO―21世紀からの世界戦略』(文春新書)、『集団的自衛権―論争のために』(PHP新書)など著書多数。
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