深層レポート 日本の政治
深層レポート 日本の政治 (100)

「民主錯乱」なのに「自民惨敗」で終わった日銀人事

執筆者: 2008年5月号
エリア: アジア

 平成二十年度予算案採決をきっかけに空転した国会が約二週間ぶりに正常化したのは三月十三日だった。この日ようやく始まった参院予算委員会での長時間の審議を終えて、福田康夫首相は午後五時すぎに国会議事堂から首相官邸に戻った。その五分後、福田首相を追いかけるように参議院から走り出した一台の車が官邸の車寄せに横付けされた。車から降りたのは自民党の尾辻秀久参院議員会長。首相執務室で、尾辻氏は一枚の紙を差し出した。「渡辺博史(前財務官)、黒田東彦(アジア開発銀行総裁)、白川方明(元日銀理事)……」 紙には人名が羅列されていた。民主党が受け入れ可能な日銀総裁、副総裁候補者リストだという。作成者は民主党参院議員。首相は、一瞬目を見開いて紙を見つめた後、「ありがとうございます」と言って長く黙り込んだ。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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