長年、雇用政策のカヤの外に置かれ、仕事はぬるま湯。自分たちの定時退庁だけが、“労働基準監督の省”らしさの表れだった――。「全省を挙げて対応いたしました。(今後も)困った方々には救援の手を差し伸べたいと思っております」 舛添要一厚生労働大臣は前年末から東京・霞が関の官庁街に隣接する日比谷公園に出現した「年越し派遣村」への対応について、一月五日朝に国会内で行なわれた新年初の記者会見で、得意げにこう語った。 大晦日にオープンした「年越し派遣村」には失業中の元派遣社員ら約五百人が詰め掛け、支援者たちが用意したテント小屋はパンク。年が明けた一月二日、厚生労働省は「緊急避難的措置」として省内の講堂を宿泊場所に開放、食糧の確保や生活保護申請の手配などの面倒まで見た。
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