世界のメディア業界の再編が加速している。技術革新や株価バブルの終焉が背景にあるが、仕掛けているのは野望に満ちたオーナーたち。いずれ劣らぬ個性的な、現代のメディア・タイクーンの群像を報告する。 二〇〇三年、失意と得意の絶頂の両方を経験したメディアのタイクーンがいる。エドガー・ブロンフマン・ジュニア(四八)だ。「シーバスリーガル」で知られる世界有数の酒・飲料会社シーグラム創業家の三代目。家の財産をメディア事業に次から次へと注ぎ込み、ついに家業を手放した。「二十億ドルの浪費」(ロサンゼルス・タイムズ紙)は道楽と呼ぶには大きすぎるが、それでもメディア支配の野望は衰えていない。
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