経済の頭で考えたこと
(81)
日本だけではない「マイナス金利」がぶち当たった「厚い壁」
日本のバブル崩壊は1990年だった。
株価は前年の暮れにピークをつけ、年明けからは全く精彩を欠いた。そして高騰を続けた地価も夏ごろから取引事例の急減のなかで怪しくなり、秋からは急落が始まった。これが銀行の不良債権急増の直接の原因となったが、金融危機の開始は1997年の秋のことだった。
われわれはその後の日本経済像についても、ついに本格的な構造改革案を作成できなかったがゆえに、依然として政策の混迷を引きずっている。しかし世界的な視野に立てば、2008年に生じた金融危機こそが、あらゆる国での経済政策の手詰まりの原因となったことは明らかだ。そして結果として政策の混迷が地球規模で生じているというべきだろう。この2008年からの危機について、日本はそれ以前からの危機の深刻さのゆえに少し感度が鈍いところがある。だが実際には、中国の大停滞だけをあげつらう余裕などないのである。
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