「人手不足」と外国人 (11)

「留学生で町おこし」への疑問:岡山県瀬戸内市の場合

執筆者:出井康博 2017年5月8日
エリア: アジア
留学生向けの専門学校に生まれ変わる予定の小学校(筆者撮影、以下同)

 

 岡山県南東部に位置する瀬戸内市――。2004年に「平成の大合併」で3つの町が一緒になって誕生した、人口3万8000弱の自治体である。その名のとおり、市は瀬戸内海に面していて、温暖な気候のもと農業や漁業が主な産業となっている。
 全国の多くの地方自治体と同様、瀬戸内市も「高齢化」と「人口減少」が悩みの種だ。市民の3人に1人は65歳以上で、人口は年200-300人ペースで減り続けている。そんななか、市では地域活性化のため、あるプロジェクトが進んでいる。来年春、外国人留学生を受け入れるためIT専門学校が開校する予定なのだ。

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執筆者プロフィール
出井康博(いでいやすひろ) 1965年、岡山県生れ。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『日経ウィークリー』記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)を経てフリーに。著書に、本サイト連載を大幅加筆した『ルポ ニッポン絶望工場」(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『松下政経塾とは何か』(新潮新書)など。最新刊は『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)
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