【特別対談】「韓国」「北朝鮮」との「向き合い方」(3)

執筆者:小此木政夫
執筆者:平井久志
2002年9月、日朝首脳会談を終えて「平壌宣言」に署名し、握手する小泉純一郎首相(左)と北朝鮮の金正日総書記[代表撮影](C)時事

 

小此木政夫:日本の役割は、冷戦時代から何も変わっていない。北朝鮮との関係を改善して、朝鮮半島に安定的な国際システムを構築する、ということです。簡単に言えば、北朝鮮を安定的な国際システムの中に取り込んで、核兵器やミサイルがなくても生き残れることを教える、ということです。日韓関係正常化がモデルです。その過程で拉致問題も解決するべきでした。国交正常化し、経済協力を提供すれば、日本の立場は格段に強化されたことでしょう。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
小此木政夫(おこのぎまさお) 慶應義塾大学名誉教授、九州大学特任教授。1945年、群馬県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科を卒業、同大学院法学研究科博士課程単位取得退学。法学博士(慶應義塾大学)。慶應義塾大学助教授、ハワイ大学朝鮮研究センター客員研究員、ジョージ・ワシントン大学中ソ研究所客員研究員などを経て、慶應義塾大学教授。慶應義塾大学地域研究センター所長、法学部長、法学研究科委員長を歴任した。専門は国際政治論、現代韓国朝鮮政治論。著書に『朝鮮戦争――米国の介入過程』(中央公論)、共著・編著に『日韓関係の争点』(藤原書店)、『朝鮮半島の秩序再編』(慶應義塾大学出版会)など多数。
執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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