中国国有企業ではない「ファーウェイ」攻撃は「的外れ」

今となっては「近い関係」ではあるが、政府の支援で成長したわけではない(右が任正非氏)(C)AFP=時事

 

 米中経済戦争の“最激戦地”は、昨年中盤あたりから、中国の通信機器メーカー「華為技術(ファーウェイ)」に絞られてきたと言っても過言ではない。

 国際問題で一企業がこれほどやり玉に挙げられ、主要国から製品排除の制裁を受けたケースは世界にほとんど前例がない。しかも、制裁の根拠となる明確な物証は、制裁を主導した米国からも追随した主要国からも提示されていない。少なくとも報道されていない。

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執筆者プロフィール
後藤康浩(ごとうやすひろ) 亜細亜大学都市創造学部教授、元日本経済新聞論説委員・編集委員。 1958年福岡県生まれ。早稲田大政経学部卒、豪ボンド大MBA修了。1984年日経新聞入社。社会部、国際部、バーレーン支局、欧州総局(ロンドン)駐在、東京本社産業部、中国総局(北京)駐在などを経て、産業部編集委員、論説委員、アジア部長、編集委員などを歴任。2016年4月から現職。産業政策、モノづくり、アジア経済、資源エネルギー問題などを専門とし、大学で教鞭を執る傍ら、テレビ東京系列『未来世紀ジパング』などにも出演していた。現在も幅広いメディアで講演や執筆活動を行うほか、企業の社外取締役なども務めている。著書に『アジア都市の成長戦略』(2018年度「岡倉天心記念賞」受賞/慶應義塾大学出版会)、『ネクスト・アジア』(日本経済新聞出版)、『資源・食糧・エネルギーが変える世界』(日本経済新聞出版)、『アジア力』(日本経済新聞出版)、『強い工場』(日経BP)、『勝つ工場』(日本経済新聞出版)などがある。
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