【特別対談】細谷雄一×篠田英朗「憲法と日米安保を問い直す」(2)

和やかに、しかし熱い対話を続ける細谷雄一さん(左)と篠田英朗さん(撮影・広瀬達郎、以下同)
篠田英朗:細谷さんが込めたメッセージはいろいろあると思うんですが、私自身の関心から言うと、閉塞感の原因は相変わらず右の人と左の人が闘っていて、ただその折々で新しい題材とか新しい用語を使っているだけという構図なんですね。たとえばPKO法が安保法制に変わったりしているだけ、といった具合に。
細谷さんの別の本(『安保論争』ちくま新書)では、書き出しがPKO法と『朝日新聞』の話から始まっているんですが、実はこれは今の話ではなく昔の話ですけどと、ちょっといたずら心のある書き方をされていますけれども、結局は同じ構図の中に新しい言葉だけを当てはめてやっている。でも構図そのものは何も変わっていないということが、閉塞感を感じる大きな原因なんです。

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