【特別対談】細谷雄一×篠田英朗「憲法と日米安保を問い直す」(2)

執筆者:細谷雄一
執筆者:篠田英朗
2019年2月5日
エリア: 日本
和やかに、しかし熱い対話を続ける細谷雄一さん(左)と篠田英朗さん(撮影・広瀬達郎、以下同)

 

篠田英朗:細谷さんが込めたメッセージはいろいろあると思うんですが、私自身の関心から言うと、閉塞感の原因は相変わらず右の人と左の人が闘っていて、ただその折々で新しい題材とか新しい用語を使っているだけという構図なんですね。たとえばPKO法が安保法制に変わったりしているだけ、といった具合に。

 細谷さんの別の本(『安保論争』ちくま新書)では、書き出しがPKO法と『朝日新聞』の話から始まっているんですが、実はこれは今の話ではなく昔の話ですけどと、ちょっといたずら心のある書き方をされていますけれども、結局は同じ構図の中に新しい言葉だけを当てはめてやっている。でも構図そのものは何も変わっていないということが、閉塞感を感じる大きな原因なんです。

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執筆者プロフィール
細谷雄一 1971年生まれ。慶應義塾大学法学部教授。94年立教大学法学部卒。96年英国バーミンガム大学大学院国際学研究科修士課程修了。2000年慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了(法学博士)。北海道大学専任講師、慶應義塾大学法学部准教授などを経て、2011年より現職。著作に『戦後国際秩序とイギリス外交――戦後ヨーロッパの形成1945年~1951年』(創文社、サントリー学芸賞)、『外交による平和――アンソニー・イーデンと二十世紀の国際政治』(有斐閣、政治研究櫻田會奨励賞)、『大英帝国の外交官』(筑摩書房)、『倫理的な戦争』(慶應義塾大学出版会、読売・吉野作造賞)、『戦後史の解放I 歴史認識とは何か: 日露戦争からアジア太平洋戦争まで』(新潮選書)など多数。
執筆者プロフィール
篠田英朗 東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。1968年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業、同大学大学院政治学研究科修士課程、ロンドン大学(LSE)国際関係学部博士課程修了。国際関係学博士(Ph.D.)。国際政治学、平和構築論が専門。学生時代より難民救援活動に従事し、クルド難民(イラン)、ソマリア難民(ジブチ)への緊急援助のための短期ボランティアとして派遣された経験を持つ。日本政府から派遣されて、国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)で投票所責任者として勤務。ロンドン大学およびキール大学非常勤講師、広島大学平和科学研究センター助手、助教授、准教授を経て、2013年から現職。2007年より外務省委託「平和構築人材育成事業」/「平和構築・開発におけるグローバル人材育成事業」を、実施団体責任者として指揮。著書に『平和構築と法の支配』(創文社、大佛次郎論壇賞受賞)、『「国家主権」という思想』(勁草書房、サントリー学芸賞受賞)、『集団的自衛権の思想史―憲法九条と日米安保』(風行社、読売・吉野作造賞受賞)、『平和構築入門』、『ほんとうの憲法』(いずれもちくま新書)など多数。
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